【旅】ケープタウンより近況報告
今、世界で最も美しい都市の1つと呼ばれるケープタウンに別れを告げるところでして
国際空港のラウンジで地元の白ワインとクリームが盛られたワッフルを横目に更新しております
ケープタウンは南アフリカ首都:ヨハネスブルグから国内線で2時間くらいで着く都市でして
主にオランダ系住民(一七世紀中頃から移住) が優雅に人生を満喫している光景があります
テーブルマウンテンと呼ばれる平べったい岩山を背景に綺麗なビーチがそこら中に広がっておりまして
冒険心溢れる若者向けというよりは大人がゆっくりバカンスを満喫する雰囲気です
他方、Uberタクシーに乗ると運転手はソマリア、ジンバブエ、コンゴ、タンザニア等、沢山のアフリカ他国の黒人が出稼ぎに来ております
彼らの間で口癖なのは「No Money No Honey」
金を稼がなければ恋人なんて出来ないのだと(笑)
そう笑いながら日本人は本当に素晴らしいと言ってくれます
他方、白人のサーファーに色々聞きますと
アパルトヘイト(注:南アフリカにおける白人と非白人、マレーシアなどからのアジア系住民の諸関係を規定する人種隔離政策)が終わったとはいえ
優秀な学校だったり高級マンションエリアは基本的に白人しか存在しないそうです
お金の問題だけでなく
実際にヨハネスブルグ含め街を歩いていると黒人との距離感は感じます
米国でさえも、既に黒人差別は古い歴史で目立つ差別は克服されつつあるものの(白人警官による黒人への暴力・殺害はニュースでまだ見ますが)
南アフリカは各自の活動エリアが異なるイメージで「時代錯誤な都市が未だ残っている」という感覚です
それでも時々白人黒人のカップルがデートしているのを見たり
自分自身も実際にそのような夫婦が知人でいたりするので
昔に比べたら大きく変わったのでしょう
そんなケープタウンで
昨晩、日本でも繁殖している「ノマド」と呼ばれるITワーカーと話す機会がありました
彼女はエストニア出身の27歳女性です
宿泊しているAirbnbのアパートでも日中から猛烈にパソコンと睨み
ほとんど観光名所にも出掛けません
やたらネット上の会議が入っているそうで、せっかくの観光地で爆弾でも作っているのか?と思うほどです
バルト3国の1国であるエストニアは
ソ連が崩壊してインフラが弱っていた中、ゼロからローコストで国を発展させるにはITしかないということでIT産業にかなり注力して発展してきた国です
彼女は130万人しか住んでいない小国に嫌気がさして
昔から学んできたスウェーデン語を武器に世界へと羽ばたき始めました
各世界都市に1−2ヶ月間滞在するスタイルらしく
数週間後にバルセロナに移動するらしいですが
基本的にパソコンだけあれば仕事が出来
観光は一応それなりにするものの、寝泊まりする場所が単純に変わる感覚だそうです
私自身ちょっとしたノマド生活を送っている人間ですので、彼女のスタイルにとても感銘を受けたのですが
本人の口から漏れた言葉はとても意外なものでした
「最初はこのノマド生活を非常に満喫していた。なんせ小国の田舎娘だから、場所と時間に囚われずどんな場所でも仕事が出来て自由な人生というのがとても楽しかった。」
「だけど、私にはHOME(心の家)が無いということに気づいた。それからというもの、安定した人生が欲しくて欲しくて堪らない。」
「カナダ人の元恋人も同じノマドワーカーだったけど、お互いにHOMEが無い同士で安定的な関係を築くことができなかった。」
「何らかの制約があるからこそ、自由に向かうのが楽しいのであって、何もかもが自由になった途端、自分を制御したり自分をいつでも迎え入れる環境が恋しくなる。」
生活において不便が多いイランも、私にとっては1つのHOMEでありまして
確かに「帰る場所がある」というのはとても幸せな事であるというのを彼女から学びました
それにしても自分含め人間はつくづく無い物ねだりの生き物だとつくづく思います(笑)
そんなことを考えながらイランのHOMEに今から帰ります
最後まで読んで下さり有難うございました!